基本知識

葉酸サプリの購入費用は医療費控除を受けられる?勘違いしていると危険かも

葉酸サプリ 医療費控除

Q.妊活や妊娠中に葉酸サプリを購入した費用は医療費控除の対象になりますか?

A.残念ながら医療費控除の対象となりません。

葉酸サプリはあくまでも健康維持のための栄養補助食品となるため、医療目的とは異なり医療費控除の対象にならないのです。

でも、

「不妊治療目的で使用したなら、医療目的になるんじゃない?」
「妊娠中に具合が悪くて葉酸サプリを購入した場合は?」

と、イレギュラーなケースがあるのではないかと疑問に思う方もいるでしょう。

そこで今回は、「〇〇な場合でも医療費控除は受けられないの?」と疑問のあなたへ、葉酸サプリと医療費控除の関係をご紹介していきます!

 葉酸サプリは医療費控除の対象に“ならない”のは一体どうして?

葉酸サプリを飲む理由のほとんどは、妊活のためだったり妊娠中の健康維持だったり、一見すると医療目的のように思いますよね。

それなのに、どうして医療費控除の対象とならないのでしょうか?

ここでは、

  1. 葉酸サプリが医療費控除の対象にならない理由
  2. 特殊なケースでも対象にならないのか

以上の2点について、詳しく紹介していきます。

サプリメント(栄養補助食品)のため医療費控除の対象にならない

どうして葉酸サプリが医療費控除の対象とならないのか、それは葉酸サプリが栄養補助食品だからなんです。

一般的にサプリメントは健康食品であり“健康の保持増進”を目的とした食品のことを指します。

そして、医療費控除の対象となる医療費の定めとしては下記の通りです。

治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。)

引用:No.1122 医療費控除の対象となる医療費|国税庁

つまり、病気の予防や健康増進のために用いられるものは医療費控除の対象とならないとされています。

従って、健康増進を目的としている葉酸サプリを含めたサプリメント類は医療費控除の対象となりません。

しかし、「じゃあ医療目的であればいいんでしょ?」と思った方もいると思います。

次項では、ケース別で医療費控除の対象になるのかどうかを紹介していきましょう!

病院で葉酸サプリが処方された場合も対象外

「流石に病院で葉酸サプリが処方された場合は対象となるんじゃないの?」と思った方、残念ながら病院から処方された場合でも葉酸サプリの費用は対象になりません。

というのも、そもそも病院で処方・推奨された葉酸サプリは健康保険の適用外となります。

したがって、健康増進及びに病気予防が目的となってしまうため、医療費控除を受けることが出来ません。

不妊のためや妊娠中の不調のために飲んでも対象外※判例有

「流石に不妊のためや、妊娠中の不調のために葉酸サプリを飲んだ場合は医療費控除の対象になるのでは?」と思う方がいるかもしれません。

ところが、このようなケースであっても、葉酸サプリの購入費用は医療費控除の対象とならないんです。

これについては、判例があります。

それは、『不妊症の治療のために1年間で約80万円のサプリ費用を使った夫婦が、医療費控除のために確定申告を行ったお話』です。

とあるクリニックでは「サプリの費用も医療控除の対象になる」と説明し、1年目は妻がサプリ購入費を医療費に含めて確定申告をしました。

そして申告は無事通り、約4万円の還付金を受け取ることが出来たのです。

その後もサプリによる不妊改善を行っていたため、二年目の確定申告では収入の多い旦那がサプリ費用について申告したそうです。

すると、税務署からは“サプリは医療費控除の対象外”と指摘されたどころか、逆に過小に所得を申告したとされ、追加納税を求められてしまいました。

これに対して夫は、医療費控除の対象となる基準は、医薬品かどうかではなく治療・療養に必要であったかどうかが大切だと主張し、国に対して訴訟を起こしたのです。

一方の国側では、そもそも医師が処方しなくても購入できるうえに、治療・療養における効果も曖昧であるため市販のサプリと同じように医療費控除の対象としないと反論。

結局、判決の結果としては国側の主張を認めることとなりました。

その時の判断としては、『いくらサプリが“医師が指導したもの”や“配合されている成分が医薬品と同等であるもの”であったとしても、医療費控除の対象とはならない』といったものです。

確かに、ここで夫の判決を認めた場合、これから妊活・妊娠でサプリメントを始める人はもちろん、そのほかのケースでも医療費控除の対象となってしまうので仕方ありませんね…。

参考:不妊治療のサプリ代、確定申告で認められるか|NIKKEI STYLE

葉酸サプリ費用は医療費控除が無理でもセルフメディケーション税制に該当する?

「それじゃあセルフメディケーション税制ならどうなのよ?」

セルフメディケーション税制とは、いわば健康のために個人が取り組んだ費用に対して、所得控除を受けられる制度のことです。

これなら該当するのでは?と、制度をよく知る方なら、考える方もいるのではないでしょうか?

結論から申しますと、葉酸サプリの購入費用はセルフメディケーション税制にも該当しません。

ここでは、セルフメディケーション税制がそもそもどんな制度なのか、そしてどうして葉酸サプリの購入費用は該当しないのかについて説明していきます。

そもそもセルフメディケーションとは何?

先ほど述べたように、セルフメディケーション税制とは、個人が健康増進及びに維持のために取り組んだものの費用に対して所得控除を行うという医療費控除の特例を指します。

ただ、セルフメディケーション税制の定義を曖昧に理解していると、今回のように「葉酸サプリも?」と勘違いしてしまうので、厚生労働省の説明を書きに引用させて頂きました。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。

引用:セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について|厚生労働省

こちらの説明をよく読んだ上で、葉酸サプリがどうして該当しないのか次項で説明していきます。

葉酸サプリは医薬品に該当しないためセルフメディケーション税制の対象外

上記の説明で注目してほしいのはここ

“スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)”

つまり、セルフメディケーション税制の該当となるのは医薬品のみとなります。

当然、葉酸サプリは医薬品には該当しないため、セルフメディケーション税制の対象外となってしまうんです。

ちなみに該当となる医薬品については、厚生労働省のサイトでリストとして紹介されているので参照してみてくださいね。

まとめ

今回のまとめとして、『例え医師が推奨しているサプリであっても、葉酸サプリは医療費控除の対象とならない』ということが分かりました。

確かに、「厚生労働省が葉酸サプリの摂取を推奨しているのになぜ?」と思う理由は分かりますが、制度の定義上仕方がないのかもしれません。

これから葉酸サプリの購入を検討しているという方は、費用面にも十分注意してサプリを選択するようにしましょう。